「日本社会が強迫的に欧米化を試みる理由」の記事で、日本は、戦後の東西冷戦期間中、本来自分たちと同じ液体的性質を持つロシア、中国の東側陣営とは互いに敵対するアメリカ、西欧陣営(西側、気体陣営)に組み入れられたと書いた。実は、このことが、日本が戦後経済大国になれた原因であり、そして、現在中国やロシアに経済的に追い上げられて苦戦している原因である。
つまり、冷戦期間中西側だった日本は、東側の中国、ロシアを蚊帳の外にして、自由で独創的な気体的性質を持つ欧米が生み出した先進技術を、優先的に独占入手することができ、それゆえ、入手に苦労した同類の中国、ロシアに比べて、大幅に先んじて経済発展することができ、容易に優位に立てたのである。
液体的性質を持つ目立った国が、他に西側気体陣営では余りなかった(韓国位?)ため、日本は、その液体的本性である、大胆な独創的発想こそないものの、きめ細やかな製品小改良と磨き上げの能力で、他の西側気体陣営が生み出すアイデアを、同盟国のよしみで優先的に入手し、それに改良を施して高品質な製品を作り、世界中にばらまくことに成功した。これこそが、日本社会が、戦後冷戦下で経済大国になれた真の理由であった。
しかし、こうした日本の優位となる条件は、東西冷戦が終わると共に、急速に消滅した。今まで敵であると欧米西側陣営から見なされて、十分な技術供与を受けられなかった、液体的な中国、ロシアが、欧米との反目を止めて敵でないと新たに見なされるようになり、技術供与等の協力を受けられるようになったからだ。つまり、東西冷戦下で日本が優先的に入手できていた欧米の先進技術が、中国、ロシアにもそのまま入ることになったため、日本の技術面での優位は急速にしぼんでいくことになったのである。
中国は、日本と同じ液体的性質の国であり、液体として同類の日本にとって、差別化が難しい存在である。現状のまま差別化ができない状態が続けば、液体的故に自分からは独創技術を生み出すのが苦手で、気体陣営からの先進技術導入無しに進歩しにくい日本が、同類の中国に技術的に追いつかれるのは時間の問題であり、既に日本の優位は怪しくなっているとも言える。
今後、日本を待ちかまえているのは、同じ液体的でライバルに当たる中国とかとの絶え間ない抜きつ抜かれつの横並び競争であると考えられる。日本が優位に立つには、気体的な欧米からいかに素早く先進技術を、中国とかに先んじて手に入れるかということと、その手に入れた技術をいかに高度に磨き上げられるかにかかっていると言える。