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所属できない、入れてもらえない・・・

現在の日本社会においては、どの集団にも入れてもらえず、さながら風に吹かれるままに移動する砂粒のように、あちらこちらを孤独のうちにさまよい歩く人たちが、大勢存在する。

日本社会は、会社であれ、学校であれ、何らかの集団に「正規に」所属しないと、人間らしい生活が送れなくなっている。正規の集団に入るには、普通厳しい入試(入社試験、入学試験・・・・)が課せられ、その試験を突破できたもののみ、あるいは、その集団と関係する有力者とのコネを持つ者のみが、正規の社員(正社員)、正規の学生として、その身分を保障されるようになる。

何らかの形で入試に失敗したり、有力者とのコネがなかったりすると、集団に正規の形で加入することは許されず、一時的に契約、派遣の形で集団に「非正規」扱いで入れてもらうことになる。契約とかが満了すると、いったん集団から追い出されることになり、再度入れてもらえる保障はない。これが、契約社員、派遣社員に相当する、いわゆる「非正規雇用」である。

こうした、集団に正規の形で入れてもらえない、所属できない、「非正規」雇用の人たちは、正規に入れてもらった「正社員」の人たちよりも、日本では格下の扱いを受けることになる。例えば賃金とかで差別されたり、社会保障が不十分だったりする。

正社員へとランクを上げたくても、再就職において「非正規」で働いた分は職歴としてカウントされない(正社員として働いた分しかカウントされない)ため、正社員になるだけの職歴が認められず、再び「非正規」で雇ってもらうしかなくなる。いったん「非正規」の枠にはまってしまうと、そこから半永久的に抜け出しにくいのである。

日本では、どこかの集団に正規で属することが必須であり(例えば、自己紹介とかで、「どこにお勤めですか」と聞かれて「○○社の社員です」と言うのが普通である)、集団から自立、独立して一人でやっていくことへの積極的な考え方はほとんど認められず、「フリーター」「根無し草」として軽蔑され、人間扱いされない。集団にどこにも入れてもらえない、所属させてもらえない「劣等生」「半人前」「無能力者」の烙印を押されてしまうのである。

そうした「非正規」雇用、所属の人たちは、劣等感にさいなまれながら、あちこちの会社とかを定着を許されずに渡り歩くことになる。さながら、風に吹かれて孤独にさまよう砂粒のような人生である。それはまた、正社員の踏み台、道具として、「使い捨て」られる人生でもある。

個人がバラバラに一人でフリーで行動する、気体的な行き方は、欧米ではプラスの価値を持つのに対して、個人が何らかの集団に所属することが必須な、液体的な行き方を取る日本では実質マイナスの価値しか持たない。「非正規」所属、雇用の人たちは、心の底では、どこかの集団に所属し(どこかの「ウチ」に入れてもらい)、一体化して安心したい(液体的に暮らしたい)と願いながら、その望みがかなわず、仕方なく一人ずつバラバラに社会の中を、どこにも定着できずに孤独に動き回っているのである。

そうした日本の「非正規」雇用、所属の人々の姿は、一見個人がバラバラな気体分子に見えるのであるが、実際には、気体分子(欧米人)のように自ら一人独立自立することを目指して、自分で進む目標を見定めて、周囲から自ら離れて高速に動き回るという主体的な姿ではない。空間を一人低速で当て所もなく漂いさまよう、集団から切り離され、切り捨てられた、(本当は自分も集団に所属、一体化したくて仕方がない)孤独な液体分子単体と見るのが妥当であろう。

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2008年07月21日 04:35に投稿されたエントリーのページです。

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