日本人は、基調としては、間違いのなさ、無難さ、事なかれ、大過ないことを重んじる人が多い。
積極的な長所を見いだすよりは、相手のマイナス面を細かくチェックして、取り立てて落ち度、欠点がないことが求められることが多い、減点主義社会であると言える。
積極的に冒険して失敗すると、大きく減点されるので、あらかじめ決められた確実で大丈夫なことだけ大事を取って行うという風潮がある。
これは、欠点、傷を少しも許さない完全主義にもつながっている。表面の極めて滑らかで傷一つ無い陶磁器を愛好するのと根が一緒である。
また、良識派というか、とかく良い子ぶって、自分は落ち度のない正義の申し子みたいな顔をして、相手の欠陥を批判したり、意見や説教を垂れる人が多いように感じる。新聞社みたいなマスコミの社説とかこの手の人物に事欠かない感じだ。
自分は安全地帯に逃げ込んで高みの見物を決め込み、次に何が待ち受けているか分からない最前線で悪戦苦闘して、試行錯誤を繰り返す中で結果的に問題や事故を引き起こしてしまう人員を厳しく叱咤するような雰囲気が漂っている。
現場に出ないで、安全な奥の院から処罰命令を繰り返す経営幹部みたいな感じである。
何事も安全、安心第一で冒険、試行錯誤による失敗を恐れ、問題なく、大過なく、何も積極的な行動を起こさずに、身を低くしてやり過ごす、役人、女性みたいな退嬰的雰囲気が日本社会全体に漂っていると言える。そうして身につけた落ち度、欠点のなさを武器にして、落ち度、欠点を出した人を非難して、自分が上位に立った気分に浸って満足しているのが、この国の「良識」人の実態である。こうした良識人、「良い子」が、日本社会に蔓延している。