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2009年04月 アーカイブ

2009年04月09日

和の精神が、日本社会が遅れる原因となっている

先日、あるアニメを見る機会があった。同じ学校に通う登場人物たちが、生徒会長の座を賭けて、運動会で各種の競争をするというものである。

その中に、二人三脚の競技場面があったが、印象的だったのは、二人三脚で走っていた競技者たちが、個人で単独で走る競技者に速度の面で負けた場面であった。

各個人がバラバラで、単独で走る方が、二人が共同歩調を取って、タイミングを合わせて「和合して」走るよりも速いということである。

これを社会の進歩に当てはめてみると、個人がバラバラに独立して互いに周囲と無関係に、衝突や訴訟を起こしながら自由に動き回る社会の方が、各個人が互いに周囲と動きを合わせ、調整をして、仲良く和合、一体化して動く社会よりも、進む速度、進歩の速度が速いということになる。

つまり、各粒子が互いに離散する気体タイプのドライな社会の方が、各粒子が互いに接近、一体化する液体タイプのウェットな社会より動きが速いのである。現に、気体は、液体よりも速度が高速である。

これを日本社会と欧米社会の比較に当てはめると、日本社会は、人々が相互に仲良く一体化して、和合状態を作り出し、それを維持しながら共同歩調、護送船団で動く社会であり、それゆえ、人々の相互の歩調調整、合わせに余分な手間暇、時間コストがかかって、人々の動きがどうしても遅くなる。一方、欧米社会は、人々が勝手にバラバラに、互いを冷たく突き放しながら、自分個人の利益のために動く社会であり、各自が行動する上で他者との歩調調整、合わせに必要な時間コストを余りかけないで済むため、高速で動けると言える。

これは、旅行とか出張とかで、団体行動よりも単独行動の方が、身軽で素早く行動できるのと根が同じである。

こう考えると、日本の和の精神の特徴である、周囲と仲良く共同歩調を取って、互いにタイミングを合わせながら進むという液体的でウェットな行き方そのものが、互いの歩調調整、合わせのための手間暇を余計に必要として、行動に余計に時間がかかるため、科学技術面で、そうした個人間の合わせをしない、単独行動優位の欧米社会に比べて後れを取る根本原因となっているように思われる。

2009年04月10日

鉄塔型社会と水滴型社会

欧米社会では、上方の天空を指向して、上へ上へと伸びる、ごく少数のトップを頂点にいただく、高い鉄塔のような、鉄骨、鉄パイプのような硬質、頑丈な骨組みにより計画的にがっちりと固く構築された、隙間空間のたくさん開いた、見通し、風通しの良い、垂直方向に上下の格差の激しい、ごく少数の上位者の下に、垂直方向、上下方向の骨組みを形成する形で中位、下位者が存在する、命令服従系統の厳しい序列が存在するハードな構造の男性的な社会ができあがっており、鉄塔型社会と呼べる。

一方、日本とかでは、水平面の上に付いた水滴のように、トップの下に、上位の支配層が高密度で分厚く存在し、その下に「一般ピープル」の中間層が一番の多数派として一番幅広く存在し、その下に底辺層が底面と付く形で存在する、余り上下の格差が開かない、どこを取っても高密度で隙間が無く、風通しが無い、外圧に応じて簡単に変形するソフトな構造の女性的な社会ができあがっており、水滴型社会と呼べる。

この場合、水滴の中の支配層は、一番上にいるのではなく、一番奥まって安全であり、かつ社会の中枢部を押さえられる、水滴の一番中央、真ん中、コアにいるということも考えられる。その場合、コアにいるほど上位で、水滴表面に近づくほど底辺となる。

2009年04月14日

終身雇用、年功序列と同色染色、純粋培養、純血性保持指向

現代の日本社会では、終身雇用をなくそうという発言があちこちでなされている。

それは、主に、経営層からの、従業員のリストラをしやすくしたいとか、従業員側からの、他業種、他企業への転職を容易にしたいとか、若年就職氷河期層からの、ある程度年齢が行ってからの正規雇用の受皿を増やして欲しいとかいった欲求から来ている。

そして、主にアメリカ等での雇用の流動性の高さを手本にして、日本も変わるべきだという論調になっている。

しかし、実際のところ、終身雇用をなくす、新卒でなく中途採用をデフォルトにする、というのは、現在の日本では困難であると考えられる。

その困難さの原因を作っているのが、組織の構成員が一つの組織の中で純粋培養され、他の組織の異質な色や血が混じらない純血性、一体性を保っていることを本質的に好む、この国の人たちの体質である。

一度一つの組織に入ったら、ずっとそのままその組織に定住して居続け、その組織の純粋な色に染まり、組織と完全に一体化し、溶け込むことが望ましく、そうして出来上がった一体秩序を乱す他の異質な色や風土に染まったよそ者の乱入を好まないという伝統的な「純粋培養指向」「純血性保持指向」の価値観が終身雇用を望む心理の根底にある。

同じ色に染まることによる相互の一体感、融合感の確保と、それを阻害する異質、異色な分子乱入の阻止が、この国の人たちの基本的な考え方である。同じ共通の母胎の中に、限られた同じ仲間とだけ一緒に仲良く抱かれていたいということだろう。

この考え方では、現状、組織に新たに入ってきて良いのは、まだどこの色にも染まっていない「白紙」状態の新卒だけということになる。新卒採用がやたらと幅を利かせるゆえんである。

こうした、「所属組織と同じ色に染まることがよいことだ(同色染色指向)」「所属する組織がずっと同一、一種類なのがよいことだ(純粋培養指向)」「同じ血の流れている相手とだけ一緒にいることがよいことだ(純血性保持指向)」の価値観を日本の人たちが改めない限り、終身雇用はなくそうとしてもなくならないであろう。


年功序列の維持にしても、現状やたらと、年齢が上がるほど賃金が高くなる、という側面ばかり論議の対象になっているが、実際のところそれが年功序列の本質ではない。

年功序列の本質は、組織の構成員は一つの組織に長く居続けるほど、より濃くその組織の色に染まるのであり、より濃く組織の色や風土に染まった、それだけ組織により強く一体化した者ほど、より敬われる、上位者として扱われるという考え方である。

同じ組織にずっと居続けることで、その組織の色への染色度合いが年々高まっていき、染色度合いの高さによってその人の組織内での序列、優先度が決まるというのが年功序列の本質である。

賃金の年功による向上云々は、上記の年功序列の本質の中のサブカテゴリの一つに過ぎない。もしも賃金面や役職面で組織年功の高い人を上位に置くことが企業の経営的に難しくなったとしても、それ以外の心理面で上位者として敬うこと(天皇を象徴として心理的に上位者として敬うのと同じ)を続けることで、企業での年功序列は十分維持可能とも考えられる。

ちなみに、欧米でも、フランスとかは終身雇用らしいので、欧米かぶれでかつ終身雇用が好きな人は、フランスを真似て政策提言すればよいのではないだろうか?

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