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2008年05月 アーカイブ

2008年05月08日

日本=「男社会」の本当の立役者は「母」だ

お母さん(実母ないし妻)に、食事や服装の用意、洗濯まで、身の回りの世話一切をやってもらっている日本の男性は、マザコンだ。

いくら、自分の稼いだ給与を実家に入れているからと言って、お母さんに、炊事洗濯から家計管理も含めて生活全般を依存しているのは、お母さんに生活全体を握られ、包含され、支配されている訳で、実質マザコン状態なのである。

重要なのは、職場が男中心で動くという、いわゆる「男社会」の立役者が、実は、そうした男性の母親(、妻)=女性だということだ。

男性の母親が、男性の身の回りの世話をかいがいしく全部してあげて、男性が生活面で母親無しで暮らしていけないように依存させることで、男性が母親に精神的に支配される事態が生じている。

男性がやたらと会社でやたらと仕事熱心なのも、自分の母親に「頑張って昇進しなさい」とハッパをかけられていることと関係がある。

男性は、その母親の自己実現の道具、操りロボット、奴隷なのだ。
「母の奴隷」、それが、日本の男性の実像だ。



男性が勉強や仕事に専念して、それ以外に関心を向けさせないようにわざとし向けているのが、日本の母親だ。

日本の母親にとって、自分の息子は、受験競争、会社での昇進競争にまい進させる「ダービー馬」と一緒だ。息子が、そうした競争に勝って出世して社会的勝者となることが、すなわち自分の自己実現が果たされることと一緒だと考えて必死に息子の尻をひっぱたく。
そのため、息子は勉強人間、仕事人間と化すのだ。

会社はそうした「ダービー馬」と化した息子たちで溢れている。「男社会」の出現だ。ひたすら会社の仕事に専念する男性=ダービー馬たちの集まり=「男社会」を生み出しているのは、その母親たちなのだ。


日本の母親は、炊事、洗濯といった家事や身の回りのことに対して息子が余計な気をかけることで、本来の受験競争、会社での昇進競争に遅れてしまうことを防止するため、必死になって、息子の身の回りの世話をかいがいしく焼こうとする。

そうした母親の姿勢が、息子が、勉強、仕事以外のことをやらなくなり、身の回りのことを、財布とかも含めて全て母や妻にやらせようとするあり方をもたらす原動力となっているのだ。

息子に競争に打ち勝てとハッパをかける日本の母親は、会社で、部下に成績を上げろとハッパをかける上司と同じだ。母親が上司、息子が部下だ。

そうやって必死に息子=「母親が自分の生涯を賭けたダービー馬」の身の回りの世話をする母親の姿が、息子から見ると、自分に無償の愛を提供する理想的な恩人に見えるのだから皮肉なものだ。

妻と対比させる形で、やたらと実母を理想化して捉えるのは、思考がマザコン化している証拠だ。


母は、息子にとっては、高齢の存在であり、やがて死んでしまう。そこで、仕事以外何もできない息子が頼るのが次に妻だ。そこで起きるのが、妻=専業主婦の「お母さん」化だ。
専業主婦を実母代わりにして、彼女に精神的に依存する現象が起きる。
財布も子供も、家庭の実権も、全て専業主婦に握られてしまい、男性は、自分自身はただ会社人間としてひたすら労働して家庭に給料を入れるのみ、それしか出来ない、依存的で自立できない人間となってしまう。

男性が、妻は、実母同様自分の身の回りの世話をしてくれて当たり前、妻は自分の身の回りの世話を十分するように、それ以外の外仕事はするな、専業主婦でいろと、横柄な、妻を束縛する態度に出るので、妻には嫌われる。これが熟年離婚の原因だ。その原因の源は、自分の息子を自分のダービー馬に仕立てた、夫の母親にある。また、日本の女性が、家事負担のため、外での仕事を諦めて専業主婦にならざるを得ない状況を作り出しているのも、息子を仕事人間に仕立てた、男性の母親だ。

そうしてやむなく専業主婦になった妻が、夫や息子を新たに自分の「ダービー馬」と仕立てて、受験、会社での昇進競争に向けてハッパをかけるとともに彼らの身の回りのことを全部かいがいしく行ってあげて仕事、勉強に専念させることで、妻=母が自分の自己実現の道を見いだすようになるという「専業化への世代間連鎖」(夫は、仕事専業に、妻は家事専業になる)が起きている。これが、日本において、いわゆる「男社会」がちっとも解消されない一番の原因だ。

日本のフェミニストや女性学者らが批判する「男社会」を作ったのは、ほかならぬ女性たちなのだ。もっとそのことに注意を払うべきだ。

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