従来、臨床心理の分野とかでは、母親の心理的影響力が強い日本のような社会のことを母性社会と呼んでおり、世の中ではこの呼び方がなされることが多い。
しかし、この母性社会という呼び方は、どちらかといえば社会の静的な性質を表した呼び方で、日本社会において母親が動的に行使している社会的影響力、支配力の大きさを実感するには物足りない。
筆者としては、従来の母性社会という言い方に代えて、「母権社会」(ないし母権制社会)という言い方にすることで、日本の母親の強大さを少しでも実感できるようになるのが望ましいと思っている。
同時に、欧米のように父親が強い社会は、父性社会と呼ぶよりは、父権社会(ないし父権制社会)と呼ぶのが望ましいと思っている。