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日本女性と家計管理権限



日本女性と家計管理権限





1.小遣いと大蔵大臣

日本では、自分で他人を養うだけの給与を稼ぐ役割を男性がもっぱら担っていることが、男性優位(家父長制)の証拠と見なされる。

女性の立場が弱いのは、自分で給料を稼がないからだとされる。

上記の意見は、おかしいのではないか?

給与を稼ぐ立場にあることが、強い立場(家父長)にあることの証拠とは必ずしも言えない。

日本では、男性が稼いだ給与は、一昔前の給料袋から、現代の銀行振込に至るまで、男性によってほとんど何も手をつけられずに、女性の下に直行する。

日本では、女性が、家計を管理し、家計における、最終的な、予算配分決定の権限を握っている。彼女は、大蔵大臣と称される。

総務庁青少年対策本部「子供と家族に関する国際比較調査」1994では、日本において、家計管理を行っているのが、夫と妻とを比較したとき、60%以上妻が行っているとされており、日本女性が家計管理権限を独占的に掌握していることを裏付けている。

男性は、女性から改めて、小遣いを支給される。

男性は、小遣いの額を、女性と交渉しなければならない。額を最終的に決める権限は女性が握っている。

給与の使い道(予算配分)を決定するのが、本当は、家父長たらしめる役割のはずだが、日本では、この役割は、女性に占領されている。

給与を単に稼ぐだけで、稼いで来た給与の使い道配分を決定する権限がないのでは、日本の男性は、家計管理者=大蔵大臣としての女性の下で働く(こき使われる)下級労働者に過ぎない。

家計管理の権限を最初から剥奪され、小遣いをもらう立場に甘んじるのは、家父長とは言えない。

日本の女性は、女性は男性に養ってもらう被扶養者であるから、男性よりも立場が弱い、とまくし立てるが、それは、男性の自尊心(自分は偉い)をキープして、よりよく働かせる(給与を稼がせる)ための口実に過ぎない。

日本の男性は、お金を生み出す打ち出の小槌(大工道具)であり、女性は、打ち出の小槌を使う大工である。女性は、小槌によって生み出されたお金を取り上げ、自分の手元で管理する。男性は、主体的に自らを管理する能力を持たないため、管理者たる女性に頭を下げて、小遣いを恵んでもらわないといけない。

日本の男性は、女性によって、一家の大黒柱と持ち上げられるが、本当は、女性の管理下で働く下級労働者に過ぎない。女性によって、収入を吐き出させられ、ちゃんと仕事をするように監視される。日本社会は、「鵜飼型社会」であり、男性は、鵜飼である女性の管理下で、魚取りに従事し、捕まえた魚を吐き出させられる鵜鳥の役割をさせられている。
 

日本では、夫は、財産の所有権、名義は持っているが、その財産を自分の自由に動かしたり管理する権限は持っていない。一方、妻は、財産の所有権、名義は持っていないが、その(他人名義の)財産を自分の思い通りに、自由に使ったり管理する権限を持っている。

両者のうち、どちらが強いか?

性別を伏せて、Aさん、Bさんとして聞いてみたらどんな結果が出るだろうか?
 

2.日本専業主婦の地位と財産

専業主婦は、自分の食べる分の給料を稼がないから、地位が低いとされてきた。このことは、今までの日本における男性優位の根拠となってきた。それは果たして正しいか?
日本の専業主婦は、家庭における資金の出入りを、最終的に管理し、決定する権限を持っている。家計管理者として、給料の使い道を管理し、何に使うかを決定する。こうした財産管理・使用権限は、夫に対しても、小遣い支給という形で行使される。
従来、家庭において認められて来た財産形成(生成)・所有権限(主に夫が保持)とは別に、財産管理・使用(配分)権限というものの存在を、新たに認めるべきである。いくら、形式的に財産を所有していても、実際に使う権限を持っていなければ、意味がない。その点では、財産管理・使用権限の方に比重を高く置いてみるべきである。欧米では夫がこちらの権限も保持しているが、日本では、この財産管理・使用権限は、妻が保持している。
 
 






権限の強さ 欧米 日本
財産形成(生成)・所有権限 形式的・弱い
財産管理・使用(配分)権限 実質的・強い

従来の日本におけるフェミニズムが唱える家父長制についての議論では、財産形成・所有権限の方ばかりに目が行って、財産管理・使用権限について注意が行き届いていない。後者の存在に注意すれば、日本の家族=家父長制という結論は、絶対出ないはずである。

ただ収入を入れるだけで、自由に使うことができない(再配分の権限を持たない)、小遣いを、妻に対して、頭を下げて、もらわないといけない夫(彼は、妻の管理下で、下請けの給与稼ぎ作業に従事する)よりも、最終的な使用(収入の再配分)権限を握っている妻の方が、地位は高いのではないか?

日本における、「稼ぎ手(一家の大黒柱)がえらい、強い」コール、大合唱は、財産管理権限を握っている=本当に力を持っているのが、妻(女性)であることを隠蔽するため、女性によって、意図的に行われている。隠蔽することで、男性の自尊心を高い状態に保持し、自分たちに有用な働き(強い盾としての防衛者の役割、給与を稼ぐ労働者としての役割)をさせるのが目的である。「男性上位」を信じ込む男性は、女性によって、担がれているのである。

妻に対していろいろ威張って命令するが、妻がそばにいないと何もできない夫、家の中の物がどこにあるか、全て妻に管理されているため、全く分からない夫は、妻によって生殺与奪の権限を握られており、実際には、弱者である。

家計管理権限を、なぜ日本の女性が取れたか?

日本のように稲作農耕栽培行動が主流の社会では、態度のウェットさを要求される農耕活動により適するのは女性であり、環境適応力・環境合致度が、男性よりも強いのが原因と考えられる。

日本フェミニズムは、都合の悪い事実を隠す。女性が財布の紐を握ることなど、無視する。臭い物にふたをする、こうした姿勢は改められなければならない。

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2007年05月22日 22:26に投稿されたエントリーのページです。

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