従来、日本において、ジェンダー・フリー思想は、フェミニスト(女権拡張論者)主導で押し進められてきた。それは、性差別をなくし、男らしさ、女らしさの枠にはまらない個々人の個性を重視しましょうという主義主張である。
現に、学校での名簿の男女混合化等、性差をなるべく考慮から外すのが先進的で優れた考え方だとする見方が日本中に広がっている。
ここで、立ち返って考えてみると、ジェンダー・フリー思想のような、各人が、所属するカテゴリから解き放たれてバラバラになるのを好む行き方は、気体分子運動パターンに近い、ドライな考え方である、と言える。
それは、個々人の(集合からの)自立独立を好む男性、父性向きの考え方であり、一見、性別からの解放を謳いながら、実際には、男性、父性の力を強めている。個々人の相互一体融合化、共通カテゴリへの集合、一致団結を指向する、母性、女性の力を弱める考え方であるとも言える。
日本のフェミニストは、ジェンダー・フリー思想を導入することで、皮肉にも、日本社会における母性(女性)の力を弱めることに一生懸命になっていると言える。
日本において、父性の力を強めるのに、ジェンダー・フリー思想は格好のツールとなると言える。要は、個々人の個性重視、集合からの独立を謳うジェンダー・フリー思想は、日本における父性強化、母性からの男性解放に役立つのである。
そこで、日本の男性たちは、フェミニストたちが自分たちの誤りに気づいて、撤回する前に、どんどんジェンダー・フリーを推進すべきである。