日本社会で一番力が強いのは、表面に出て威張っている男性ではなく、その母親の姑である。
姑は、息子との間で、強力な母子一体、癒着状態を作り出し、その中で、親→子供の支配従属関係を利用して、息子を精神的に支配するのである。
姑は、普段は、表に出ずに奥に収まって「いつも息子がお世話になっております」みたいに頭を下げて言っているので、家庭で強権を振るっている実態が、なかなか表に出にくいのである。
日本社会全体が、姑の価値観、姑根性に染まっていて、重箱の隅をつつくようなやり方で、社会の中で嫁相当の立場にある弱者をチクチク陰険にいじめているのである。
姑根性は、
「上位者である姑には、精神的に絶対服従、言挙げは一切許さない」
「細かい所まで隅々まで監視の目を行き届かせ、箸の上げ下げにまで口うるさくヒステリックに文句を言う」
「自分の気が済むまで、ひたすらペラペラ相手に一方的に説教しまくり、話している最中に、次から次へと新たな説教の種を連想して思い出しては説教を続けることで、相手を心理的に窒息させ、逃げ場がないところまで徹底的に追い込む」
「既存の家風(とか社風)、しきたりへの一方的な帰依を相手に求め、新たな変革の試みをことごとく前例に反するとして、握りつぶす」
といった特徴を持つ、相手を支配する際に姑が見せる態度である。
これが、日本人の、特に弱者に対する態度の基盤になっているように思われる。先輩の後輩に対する態度とかが、この姑根性の典型である。